世界遺産への道67 ≪世界遺産登録に向けて1歩ずつ 推薦書を文化庁へ提出≫
2015年04月30日
「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、先月カタールで実施された世界遺産委員会で、世界文化遺産リスト「記載」となりました。これに先立ち「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の推薦書(素案)を、4月18日に文化庁へ提出しました。
本遺産の価値は、沖ノ島を中心とした「海に生きる宗像の人々の信仰の遺産」としてまとまりました。
平成28年の登録を目指して進めてきた本遺産。同24年から、文化遺産は1つの国から1件の推薦書提出となったことから、日本政府の推薦を受けること自体が狭き門となっています。
同28年に登録を目指す遺産は、本遺産の他に「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」「北海道・北東北の縄文遺跡群」などがあります。その中から文化庁の審議を経て、9月末に1件が選定され、日本政府が最終決定し、ユネスコ世界遺産センターへ推薦書が提出されます。
昨年は、文化庁の審議会で「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が推薦書を提出できると判断されていましたが、日本政府は「明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域」の提出を決定したという経緯があり、来年は、この産業革命遺産の登録の可否が決まります。
文化庁が推薦書を提出できる遺産かどうかを判断するには、本遺産の価値を明らかにする証明と、それをどのように保存し、管理していくかという実行性を重視しています。今後、さらに市民のみなさんの本遺産に対する関心と、保護の意識が向上することで、世界遺産登録が1歩ずつ近づきます。